【不動産投資】本を読む前に知っておくべき注意点・本の選び方について説明します

不動産投資の勉強をするために、本を読むのが最も手軽でパフォーマンスの良い方法といわれます。

例えば1冊1500円の本を100冊買っても15万円程度。投資の失敗を防ぎ、成功につなげるための費用として、格安と言えるでしょう。

また、本は出版されるまでにしっかりとチェックが入っています。個人が好き放題にかいたブログなどより、全般的に信ぴょう性は高め。

とはいえ、本に書いてあるからといって、そのまま全て信じていいわけではありません。

  • 誇張に近いタイトルの本もある
  • 業者の宣伝が目的の本・内容の真偽が疑わしい本もある
  • 人によって書けること・書けないことがある
  • 投資家にはスタイルがあり、それぞれの方法に正解がある

といったことを知っておかなくては、間違った理解をしてしまいます。

本記事では、不動産投資の本を読む前に注意しておくべき点についてまとめました。ぜひ参考にしてください。

不動産投資の本を読む前に知っておくべきこと

「普通のサラリーマンが家賃年収〇〇万円」など、書店には不動産投資に関する本が溢れています。おそらく、数百冊は出版されていると思われます。

初心者がゼロから学ぶには、最初は読みやすい本・興味のある内容の本から始めて、徐々に馴染みのない分野の本に挑戦していくのが良いでしょう。

本を数多く読むことで、知識を幅広く集めることができます。実際の不動産投資を始める前に、できれば100冊、少なくとも20冊くらいは読みたいところ。

また、新型コロナによる影響で、これから数年かけて物件価格が下がっていく可能性は大いにあります。不動産投資家、あるいは投資家になろうと考える人にとって、今は知識と資金を蓄える充電期間にするのが得策。

しっかり勉強して、投資の成功につなげましょう。

本のタイトルは「人目を惹きたい」

タイトルというのは、本の「顔」であり、商品のパッケージに相当します。そのためには、大きく、目立つようにしなくてはいけません。

不動産投資の本でよくあるタイトルに、

  • 家賃年収〇〇万円
  • 資産〇億円

といったものを見かけます。

たしかにその部分は事実かもしれませんが、本当に重要なのは;

  • 家賃収入から経費を引いて、手元にいくら残るのか?
  • 資産といっても、負債と合わせた純資産はいくらあるのか?

といった部分です。

人目を惹くために、「年収」や「資産」といった一部分だけを見せるのは、一種の誇張といえます。

「家賃年収〇千万円」の実態

家賃年収〇千万円といっても、実際には銀行への返済・税金・その他経費を差し引くと、手元に残るお金、いわゆるキャッシュフローは、家賃収入の半分もあればいい方です。

また、将来的な修繕費用などの経営資金を残す必要があるため、キャッシュフローは全額使うわけにいきません。手堅く経営するならキャッシュフローの半分くらいは残しておきたい

上記の理由から、

ザックリ家賃年収の4分の1くらいが、サラリーマンの年収(または所得)に相当すると考えるのが妥当でしょう

家賃年収とサラリーマンの年収とは、仕組みが全く違います。単純に比較はできないということを覚えておきましょう。

とはいえ、サラリーマンも税金・社会保険料という形で国から大きくピンハネされていますが・・・。

家賃年収2000万円:サラリーマン卒業の目安

上記をまとめると、例えば家賃年収が2000万円 の場合、

  • キャッシュフロー:1000万円
  • 可処分所得:500万円
  • →年収600~800万円のサラリーマンと同じくらい

といった感じです。

融資を使て物件を買うという一般的な投資方法では、家賃年収2000万円くらいがサラリーマン卒業の最低限といえるでしょう。あるいは、これより少ない家賃収入でも生活費を補える、転職などをしやすくなるなどのメリットはあります

年収1000万円のサラリーマンといえば一般的に「高給取り」ですが、家賃年収1000万円だけでは、単身者が倹約生活をするのがやっとといった感じです。

「資産〇〇億円」の実態

資産〇〇億円」といったタイトルもよく見かけます。

ここで注意すべきことは、負債も資産も全部合わせた「純資産」がいくらあるのか書かれていないことです。

資産10億円でも、負債が11億円あれば、純資産はマイナス1億円。普通に考えると破産の状態です。

とはいえ、資産がマイナスになっても、月々の返済さえできていればゲームオーバーにはなりません・・・。このあたりは不動産投資のメリットであり、資産マイナスの「ゾンビ経営」も一つの投資手法ではあります。

ポジション・トークを意識する

不動産投資の本を読む時の注意点として、著者のポジショントークも多く含まれていることがあります。

著者がその本を通して、どこで利益を得ているかを意識しながら読むことが大切。よくあるポジショントークについて説明します。

仲介の業者が書いた本の特徴

  • 「資産規模」にフォーカスしている:売買の仲介で手数料を稼いでいるため、お客さんには融資を使って、金額の大きい物件を買って欲しいという事情がある。
  • 不動産は買う時期が大事だとは書けない:「今は高いので買い時でない」と書くと、客が来なくなるため。

新築の建売業者が書いた本の特徴

  • 新築の魅力をアピールする:建売業者なので、当然のこと
  • 中古物件のリスクを強調する:   〃
  • キャッシュフローを「投資の成功」と定義しがち:とりあえず初期のキャッシュフローが出れば、顧客は満足する。最終的な利益が確定するのは売却時であること、キャッシュフローと利益は違うといったことにはあまり触れない。

【解説】キャッシュフローは利益ではありません。将来的に収支が悪化していくこと認識しておく必要があります。
そういったキャッシュフローの仕組みを分からずに投資している人が数多くいるのも事実。長期的な戦略のない投資家が続々と退場していく可能性は大いにあります。

税理士が書いた本の特徴

  • 不動産の税務に特化していることが多い
  • 不動産投資の魅力を喧伝する傾向がある:お客さん(不動産オーナー)を増やしたいため、リスクについてはあまり言及しない
  • 税理士なので、不動産を使った節税にも詳しい (不動産に税務上の魅力があるのは間違いない)

実は、不動産投資で一番大きい経費は税金。そのため、税務の知識は不動産投資の必修科目といえます。実際に物件を持っている税理士が書いた本は、非常に役立つのでぜひ読みましょう。

元サラリーマンから専業大家になった人の本

  • 体験談的な内容が多い
  • スポンサーの付いている有名大家の中には、サクラもいる
  • スポンサーがつくと、業界にとって不都合なことは書けない
  • 貧乏から脱出と言いながら、本当は相続などで頭金を持っていたような人もいる(らしい)

といったことがあり、ポジション・トークが多くなりがちなタイプです。

ちなみに、脱サラを目指サラリーマンが書いている当サイトの利益構造をいいますと、

  • 不動産投資の本に関わる優良な情報で、アクセスと読者の信頼を集める
  • →アクセスした読者の一部がセミナー・資料請求をしてくれると嬉しい(単価の高い広告収入が入るため)

といった感じになります。本の広告を貼っていますが、1冊売れても20円程度なので、儲かりません。

投資家にはスタイルがある

投資スタイルを分ける要素には下記のようなものがあり、その組み合わせによっていろいろなタイプの投資家に別れます。

  • 管理方法:自主管理、委託
  • 物件の築年数:新築、築浅、中古、ガラボロ物件など
  • 物件タイプ:資産性重視のRC、収益重視の木造
  • 資金:現金派、融資派
  • 地域:都心、田舎

不動産投資家は、金融資産・本業の収入・住んでいる場所などでスタートラインが違ってきますが、大きく分けて2種類。大家さんタイプと投資家タイプ

大家さんタイプとは

  • 自主管理・DIYに肯定的
  • 現金・または少ない融資で購入する
  • 物件の資産価値よりも収益性(利回り)を重視
  • 地方物件を扱う人が多い

投資家タイプとは

  • 自主管理・DIYに価値を見出さない
  • あくまで投資対象として不動産を見ている
  • 融資メイン 物件探し、銀行開拓に注力
  • 都心・RC物件など資産性の高い物件を好む
  • 新築・築浅物件を推奨

意見の分かれる部分

  • 繰り上げ返済は必要か・不要か
  • 現金重視か、物件の資産性(バランスシート)重視か
  • 地方の高利回りは儲かる・儲からない

といった点では、投資家の間でも意見が割れます。一体どれを信じたらいいのでしょうか。

実はどれも正解。投資家それぞれに目的・スタイルがあり、ベストな選択肢があるのです。

ひとつ言えるのは、目的をはっきりさせて、見失わないこと。成功は、目的次第です。

  • サラリーマンのリタイアを目指す →当面のキャッシュフローが出ると成功
  • 長期の資産形成が目的 →キャッシュフローは出なくても、売却時にトータルで利益が出れば成功
  • 節税が目的(本業のサラリーマン収入が高い場合など) →不動産で節税しながら利益を上げれると成功

本の書かれた年代が大事

不動産投資の原理・原則的なことは今も昔も大きく変わっていません。そのため、古い本でも現代に通じる内容は多く含まれていて、読む価値はあります。本サイトでも出版から年数の経った本を紹介していきます。

ただし、本が書かれた年代によって、前提条件が変わってくることには注意しましょう。特に銀行融資などの内容は、基本的に新しい方が参考になるといえます。

時代背景とその特徴

  • 2000年代前半:サラリーマン大家の黎明期。融資で物件を買えること、不動産賃貸業は儲かることに投資家たちが気づき始める
  • 2007年頃~:不動産のミニバブルが起きる。融資も潤沢に出た時代
  • 2009~2013年:リーマンショックの影響で物件が底値に。融資は厳しくなったが、この頃に物件を買った人は儲かっている
  • 2014~2018年:アベノミクスの量的緩和で、融資を受けやすい時代。物件価格は上昇傾向
  • 2018~2019年:スルガショック等によって、融資が厳しくなる
  • 2020年~:コロナショックで先行きは不透明。2021年現在、物件価格はまだ高止まり。

本のメリットなど

  • 本は基本的に信用性が高い:出版社でチェックされて、「審査」を通って出版されているため(ただし、企業の宣伝などの本もあるので注意) 
  • 本の出版までにはラグがある:紙の本で企画・執筆・出版のプロセスを経ると、書店に並ぶまでに1年以上かかる情報の鮮度は落ちる。特に融資の状況はコロコロ変わるので、情報は新しい方がいい。
  • コラム・ブログ・セミナーの方が、情報の鮮度は高い(ただし、ブログは好きなことを書いてノーチェック。信憑性が担保されていない)

まとめ

以上、不動産投資の本を読む上での注意点を挙げました。数多くの本を読んで、偏りなく広い範囲の知識をカバーするよう意識しましょう。

リンク

→不動産投資の初心者におすすめの本リスト

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