こんにちは。コーシカです。
札幌近郊でアパートとトランクルームを経営しながら、サラリーマン卒業を目指しています。
今回は、トランクルーム投資の魅力について。
居住用物件(アパート・マンション)と比べてどうなのか、実体験をもとに解説します。
トランクルーム投資に向く人は;
- 本業など、他のことに時間を使いたい人
- 稼働率が安定するまで(3~5年間)待てる人
- 現金のある人(融資を使いにくいため)
といったところ。
詳しくは本文を参照ください。
(実際の収支については、本ブログの別記事で紹介しています:
トランクルームが開始1年半で損益分岐点に)
トランクルームと居住用物件(アパート・マンション)を比較してみた
この記事を執筆している2021年現在、不正融資の問題やコロナショックで銀行の融資はすっかり引き締まった状況です。
融資で物件を買うにも、自己資金が20%は必要というケースがほとんど。
比較的に少額で、現金で購入しやすいトランクルーム投資に目が向くのは自然な流れです。
例えば自己資金1,000万円の使い道として、
- ・5000万円のアパートを買うため、頭金20%で融資を受ける
- ・利回り20%のトランクルームを現金で買う
のどちらが魅力的かという話。
ただしトランクルームの難点は、はすぐには満室にならず、経営が安定するのに3~5年かかること。
すぐに成果が出ないところが”じれったい”ですが、コネも人脈もない弱小な個人・素人が着実に高利回りを実現できる投資方法といえます。
トランクルーム投資のメリット
運営の手間がかからない
賃貸経営の手間・トラブルは「人間」が原因
トランクルーム投資のメリットには下記のようなものがありますが、ほとんどは「人が住まないから」。
- 古くなっても家賃が下がらない:物置なので、見た目の古さは関係ない
- 入退去時の修繕などが不要:簡単な掃除をすれば次の人に貸せる
- 設備が傷まない
- 漏水などのトラブルがない:そもそも水回りが無い
- 長期的な修繕費用が少ない
- →外壁・屋根などの修繕は、建物所有者の責任
- →カーペットの張替え:数年に1回
- →看板の取り換え:10年に1回。日焼けで色あせのため
上記のような、アパートの大家さんを悩ませる課題の多くが、トランクルームにはありません。
「すべての問題は人間である。人間のいないところにトラブルはない。」
旧ソ連の独裁者スターリンの言葉を、個人的には思い浮かべてしまいます。
トランクルームのオーナーがすることといえば、月々の店舗賃料の支払いと、賃料の入金確認くらい。アパート・マンションよりもはるかに手間いらず。
手間がかからないから、複数の物件を持っても負担にならない。「時間のレバレッジが効いている」投資というのが個人的な見解です。
売却益は出る
トランクルームでは一般的に店舗を賃貸します。土地も建物も所有しないので、いわゆる「担保価値」・「資産価値」はありません。
正確にいうと店舗内の設備は資産ですが、金銭的な価値はあまりないものとして扱われます。
しかし、実際のところは店舗の「収益価値」で買ってくれる人がいるので、売却益は出ます。
例えば利回り20%くらいの物件を買って、稼働率が上がってから利回り15%くらいで売却するという出口のシナリオも十分に考えられます。
私の店舗も1,100万円くらいで買いましたが、おそらく1,500万円くらいで買ってくれる人はいるはず。
運営コストが低い
アパートは「金食い虫」というのが、オーナーになって思うことです。
融資で買っているので銀行への返済は当然ですが、他にもいろいろなコストがかかります
トランクルームにも、月々の店舗賃料という大きな固定費がありますが、
- 融資の返済:金利の部分しか経費にならない
- 店舗の賃料:全て経費になる
ということで、節税効果はあります。
また、賃料収入から店舗賃料等の経費を差し引いたトランクルーム投資の「手残り」は、ほぼ確定した利益。アパートのキャッシュフローと違い、安心して再投資や消費に回せます。
自己使用も可能
トランクルームは、開業してから満室になるまで時間がかかります。そのため、稼働率が上がるまでの間、空いている部屋を自己使用することもできます(運営会社に要確認)。
簡単な掃除道具を置いたり、近隣へのビラ配布の拠点にするなど、店舗運営のために役立てることもできます。
私物を保管しても、自宅で業務をするスペース確保のためという”大義名分”があります。間接的ではありますが、れっきとした”事業目的の使用”なので税務署につつかれることもないかな・・・と個人的に思います。
アパート・マンションでは、空室だからといって自分で使うわけにはいきません。自己使用できるのは、トランクルームならではのメリットと言えます。
デメリット
立ち上げが遅い
アパート・マンションと違い、トランクルームはなかなか満室になりません。
稼働率は3年後で80%、5年後で90%くらいが目安と言われます。
実際に私の物件では、購入後1年半経った2020年現在、33%の稼働率になります。家賃の比率が低めで収益の出やすい店舗ではありますが、やっと損益分岐点に届いてきたという感じです。
融資を得にくい
先ほども書きましたが、店舗が賃貸の場合は特に担保価値が無く、融資が得にくいというのが難点です
ただし、融資を得たとしても
店舗の賃料は、アパート・マンション経営でいう融資の返済に相当します。
注意:トランクルーム投資に融資を使うと、「店舗賃料+融資の返済」という二重の支出になるので資金繰りが厳しくなります。
融資を受けにくい
不動産投資の規模拡大に欠かせないのが、銀行の融資。
トランクルームの場合は、不動産という担保価値が無いため融資が難しいのが一般的です(特に店舗が賃貸の場合)。
使える融資も、設備資金・運転資金という名目で、数年間の短期ローンになってしまいます。
また、政策金融公庫には雇用の創出という使命もあることから、無人店舗のトランクルームは融資に不利と言えます。
賃料に消費税がかかる(利用者にとって割高)
オーナーが払う店舗の賃料にも、利用者が払うトランクルームの賃料にも、消費税(10%)がかかります。
最終的な納税者はトランクルームの利用者なので、消費税そのものは収益に影響しません。
しかし、
- 居住用の家賃は非課税:アパート・マンション(居住用)
- 事業用の賃料は課税対象:トランクルーム・駐車場など
- →トランクルームは、消費税の分”割高”。
同じトランクルームでも、賃貸住宅に付属であれば消費税はかかりません。単純に消費税の分が、利用者にとってはお得になります。トランクルーム経営において、消費税の増税は逆風と言えます。
契約形態は「フランチャイズ」
トランクルーム投資は、アパート・マンション投資と似ているようで、実はいろいろと違います。
私の所有するトランクルームは店舗が賃貸なので、不動産の購入はしていません。買ったのは、室内の設備と看板・運営システムになります。
契約形態も、アパート・マンションの「不動産売買契約」・「管理委託契約」ではなく、「業務提携契約」。
別の言い方をすれば、「フランチャイズ」。ココ壱番屋・ワークマン・セブンイレブンなどの店舗オーナーと同じ業務形態になります。
心理的な面でも、「トランクルーム」という店舗の看板には存在感があり、自分の店を持っているという実感が強い。購入から1年以上たった今も”ワクワク感”が続いています。
まとめ
以上、トランクルームとアパート・マンションとの比較について書きました。
- 管理の手間がかからない
- 「純資産」の増加が、実は速い
- 売却益が出やすい
といったメリットがある反面、立ち上がりの遅さ・即効性の無さから投資家たち敬遠されがちですが、長期的な投資対象としてきな魅力があります。
融資の厳しい時代、トランクルームは有望な投資先と言えるのではないでしょうか。
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